姿勢
良い姿勢とは、つまり誤嚥しにくい姿勢なの。
お食事と姿勢の関係
お食事の際には、楽で、おいしく、安全に食べられる姿勢を整えることがとても大切です。
あごを上げた姿勢は、お口からのどに流れ込みやすいため、誤嚥の危険性が高くなります。
また、飲み込む機能が落ちてくると、飲み込んだあとにのどに食べ物が残り、お食事から時間が経って誤嚥してしまう恐れもあります。
誤嚥しにくい姿勢で召し上がっていただくことで、誤嚥の危険の少ない、より安全なお食事につながります。
悪い姿勢と良い姿勢
悪い姿勢
非常に危険な状態です。誤嚥の恐れが高い姿勢です。
良い姿勢
一般的に良いとされている姿勢です。ただし、特にまひのある方などは、これに限らず個人に合った姿勢を重視します。
- 01. あごは引き気味
- 02. 背は90度
- 03. 足の裏は床(難しい場合はフットレスト)にきちんとつく高さ
- 04. からだとテーブルの間に握りこぶし1つぐらいのすき間
- 05. イスの座面の高さはひざが90度に曲がるくらい
- 06. テーブルの高さは腕を乗せて、ひじが90度に曲がるくらい
ベッド上でのお食事
お食事をテーブルとイスで摂ることが難しい場合には、ベッド上で召し上がっていただきます。 ポイントは6つ、一つひとつ確認しながら介助しましょう。
- 01. リラックスした姿勢をとり、まひなどがある場合は枕やタオルなどを利用して、からだが傾かないようにする。
- 02. 背もたれが30~60度になるようギャッジアップする(※適した角度は一人ひとり異なります。体調によっても調整が必要な場合がありますので、専門職と相談しましょう)。
- 03. 首が後ろに反らないように、頭に枕やクッションを使う。
- 04. 腰はベッドの折れ目にきっちり合わせる。
※ギャッジアップしたままの体勢では、腰が下方にずれていることが多くありますので、
一度上方に引き上げましょう。 - 05. ひざは軽く曲げた状態になるよう、ベッドの折れ目にひざを合わせるか、
ひざ下にクッションを置き、ずり落ちないようにする。 - 06. 足がずり下がらないよう、足の裏にクッションをぴったりつける。
お食事の時の姿勢について一枚にまとめた資料
「食事時の姿勢」を
ダウンロードできます。
介助するときは
介助は、できないところだけをサポートするようにしましょう。
できるところは、本人にしていただくのが自立支援につながります。
ゆったりした時間と空間の中で、余裕を持って食事をおいしく召し上がっていただきましょう。
介助のポイント
- 01. 介助者は横に座り、目線を同じにする。
- 02. 飲み込んだのを確認してから、次の一口を運ぶ。
- 03. 一口量の目安はティースプーン一杯くらい。
※多すぎても少なすぎても食べにくいと感じます。 - 04. はしやスプーンは下からお口に運ぶ。
※自然にあごを引き、良い姿勢になります。 - 05. お食事に専念する環境をつくる。テレビを消す、カーテンを引く、静かな空間をつくる、など。
姿勢って、大切なんだね。盲点だったかも。
今回は一般的な「良い姿勢」を紹介したの。でも人によっては、必ずしもこの「良い姿勢」が当てはまらない場合もあるの。専門職に相談してみることをおすすめするのよ。