口腔ケアの効果
口腔ケアはいろんな病気を予防できる可能性を秘めているの。
だ液の分泌の促進
口腔内が食べ残しや細菌で覆われていると
だ液が出にくくなり、口腔内が乾燥します。
口腔内の汚れを取り除くことにより、口腔内はきれいになり
だ液が少しずつ出てくるようになります。
また、お口の中にはだ液腺と呼ばれるだ液が多く分泌されるポイントがあります。
口腔ケアの際に、歯ブラシや指などが
お口の中のだ液腺に刺激を与え、だ液が出てきます。
発熱予防
対照群に比べて口腔ケア群では、発熱発生率が低くなっています。 つまり口腔ケアを行うことは、発熱のリスクを減少させます。
出典 / 米山武義ら:介護高齢者に対する口腔衛生の誤嚥性肺炎予防効果に関する研究.日本医学会誌,2001.
誤嚥性(ごえんせい)肺炎予防
誤嚥性(ごえんせい)肺炎って、なーに?
誤嚥性肺炎には、通常食道へいくべき食べ物が
誤って気道へ入ってしまうことが原因であるものと、お口の中のだ液を飲み込む際などに、その中の細菌が
誤って肺に入ってしまうことが原因で起こるものの2種類があります。
高齢者においては、特に睡眠時など知らない間にだ液を
誤嚥してしまっているケースが多く、死因の高位にあります。
口腔ケアは誤嚥性肺炎を予防する
対照群に比べて口腔ケア群では、2年間の肺炎発症率が低くなっています。
出典 / 米山武義ら:介護高齢者に対する口腔衛生の誤嚥性肺炎予防効果に関する研究.日本医学会誌,2001.
認知症予防
自分の歯が20本以上あること
歯が20本以上ある人に比べて、歯がほとんどなく入れ歯未使用の人では
認知症の発症リスクが1.9倍も異なるという結果が出ています。
歯を失う原因となる歯周病などの炎症は、直接脳に影響を及ぼす危険性が考えられます。
失った歯を入れ歯で補うことはもちろん大切ですが、いかに自分の歯を保つか、を意識すると良いでしょう。
出典:平成22年 厚生労働科学研究:神奈川歯科大学
なんでも噛めること
なんでも噛める人に比べて、あまり噛めない人では認知症の発症リスクが1.5倍です。噛む力の低下は、脳の認知機能の低下を招く恐れがあります。歯周病により歯を失い、しっかりと噛むことが難しくなり、 脳への刺激が少なくなると ると脳が萎縮し認知症になりやすくなります。
認知症を予防するためにも、よく噛めるお口を維持することは大切です。
出典:平成22年 厚生労働科学研究:神奈川歯科大学
心臓病予防
健康な人に比べて、歯周病の人は心臓病になるリスクが高いと言われます。
歯ぐきからの出血やお口の粘膜に傷がつくことなどにより、口腔内の歯周病菌が血中に入り込むと、動脈硬化の原因になります。
症状がますます進行していくと、心筋梗塞や狭心症などを引き起こし、死にいたるケースもあります。
糖尿病予防
糖尿病の一歩手前の症状を持つ人を「境界型」といいます。
ある調査では、血糖値が正常だった対象者が、境界型になる率を
歯周病の有無で比較した結果が発表されています。
歯周病が無い人に比べて、中程度の歯周病がある人では
境界型になるリスクが2.1倍、
歯周病が無い人に比べて、重度の歯周病がある人では、
境界型になるリスクが3.1倍に上ります。
歯周病菌が血中に入り込むことで、
血糖値を下げるインスリンの障害になるとされています。
また、歯周病による歯ぐきの炎症が、糖尿病を発症または、悪化させることが最近の研究で明らかになりつつあります。
総医療費の削減
口腔の健康が保たれていれば、歯を失うリスクも当然低くなります。
歯がたくさん残っている人は、歯科治療だけではなく総医療費が少なくなる、
というデータが発表されています。
歯が残っている本数が多いほど、医科の医療費も含めた総医療費に差が生じます。
歯が0~4本残っている人は、年間54万1,900円
歯が20本以上残っている人は、年間36万4,600円
その差は、17万7,300円にも達します。
全身の健康管理につながる口腔ケアは、
決して見逃してはならないことだと分かる研究結果です。
出典:残存歯数・歯周炎の程度と医科診療費との関連(平成17年香川県における調査結果)
えー、こんなことまで!口腔ケアってすごいんだね!
わたしもとってもすごいと思う。だからみんなに伝えていきたいの。
口腔ケアをして、みんなができるだけ健康になってくれたらいいなって
思っているの。